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2010年10月 アーカイブ

生協の基本理念 7

前回いったように、それぞれ利害長短があるので、形としての民主主義はこれを絶対化することは間違いなのです。


適するか適しないかです。


ある場合には適するし、ある場合には適しないということになります。


そこでアリストテレスは、それらの混合的なものを推奨しました。


これは今日でも参考にされてよいことであり、生協の運営の場合にも考慮に入れられてよいのではないかと思われます。


以上が「形としての民主主義」ですが、今日、民主主義がいわれるときにはもう1つの意味のものがあります。


「心としての民主主義」です。


これは、どのようにして集団の意思を決定するかというその方式ではなく、人々の精神態度にかかわるものです。


内容的には、人間尊重の理念です。


どんな人間でも人間として尊ぶ心です。


これを、われわれは民主的といっているのです。


「うちの親父は非民主的だ」などといわれるときは、形としての民主主義をいっているのではありません。


親父さんの態度についていっているのです。


「うちの上役は非民主的だ」などといわれる場合は、部下にたいする態度をいっているのです。


つまり、心の傾きをいっているのでしょう。


頭ごなしに人を無視してポンポンというような場合を非民主的といいます。


つまり、ここで民主的というのは、人の心や態度にかかわっているのです。


この場合の民主主義は、どんな人間でも、人間を人間として尊ぶ心、といっていいでしょう。

生協の基本理念 8

この意味での民主主義は、ギリシャには存在しませんでした。


先にいったように、デモクラシーという言葉も制度もギリシャからきたものではありますが、「心としての民主主義」は実はギリシャにはなかったのです。


古代ギリシャは巨大な奴隷社会で、奴隷は人間とは考えられていませんでした。


アテナイは、紀元前5世紀から、たてまえは完全な民主制をとった国でありましたが、当時アテナイの住民の大半は奴隷でしたから、大部分の人間は人間とは認められていなかったのです。


今日から考えれば民主主義ではないのです。


「心としての民主主義」はなかったのです。


アリストテレスでさえも、奴隷は「生きた道具」だといっています。


ついでながらもう1ついいますと、アリストテレスの先生であったプラトンは、理想国家の像を組み立てた人であり、彼の『国家編』という本は早くから日本語にも翻訳されており、非常に有名なものです。


彼の推す「国家」は、完全な共産主義の国です。


今日、われわれが考える共産主義よりも、もっとすさまじいものです。


生産手段が共有であるだけではありません。


消費手段も共有なのです。


ですから、みんな同じ食堂で一緒に食事をするという、そういうものを考えています。


当時の国家というのは、今日から見れば村のような規模のものでしたから、そういうことも考えられたのでしょう。


さらに、物財の共有だけではなく、妻子も共有なのです。


これは旦那さんも共有だということでもあります。


セクシュアル・コミュニズムです。

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